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Channel: こけし千夜一夜物語
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第814夜:冬の山形旅行1(阿部進矢)

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130305_shinya_kanban3月の5日から作7日まで、山形に行って来た。目的は冬の銀山温泉と蔵王の樹氷見物。コースはあつみ温泉から銀山温泉、最後が蔵王という旅行業者の団体ツアーである。道中にこけしの産地はあるものの、団体旅行ゆえ、こけしが目的では無く、時間があれば訪問しようと考えていた。上越新幹線で新潟まで、そこから特急であつみ温泉駅、車であつみ温泉の宿に着いたのは15時過ぎ。時間があるので、温泉街に出かけて行った。雪は路肩にはかなりあるものの道の中央には殆ど残っていなかった。ここのところの気温上昇で一気に溶けたそうだ。あつみ温泉に来たのは初めて、平日ということもあってか川沿いの温泉街は閑散としている。川沿いの道から1本中に入った通りに阿部進矢さんのお店はあった。口絵写真はお店の入口の看板。

店(兼自宅)の入口の引き戸を開けるとすぐ正面に陳列棚があり、そこに各地のこけしと進矢さんのこけしが並んでいた。入口の右側には部屋があり、声をかけると中から進矢さんが出てきてくれた。

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写真(2)は正面のこけし陳列棚。右側におられるのが進矢さん。「こけし手帖625号」のサロンで田中勇氏が昨年の11月に訪問した際、入手できるこけしは無く、注文品が出来るのは5月頃と書いてあったので、こけしの期待はしていなかった。しかし陳列棚には進矢さんの新作が並んでいたので聞いてみると、前に注文を受けた方のものとのことで、今頼むとやはり5月の末頃になるとのことであった。もちろん注文をしてきた。

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写真(3)は帽子こけしなどの細工物。最近は普通の伝統こけしよりも、このような細工物の方が人気が高く、工夫をして色々なものを作っているとのこと。模様違いの帽子こけしを纏めて数10本も頼まれることもあるそうだ。

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写真(4)の中央は最近作っている常吉の古型とのこと。胴のくびれがやや大きく、瞼が丸形ではなく紡錘形なのが印象的だった。その右横のロクロ線の無い直胴は花の茎が緑色ではなく赤色なのが特徴とのことであった。

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写真(5)が阿部進矢さん。色々と説明をしてくれて楽しい時を過ごすことが出来た。進矢さんも後継者は今のところいないとのこと。まだまだお元気そうであったが、あつみこけしの将来はなかなか厳しい様子でもあった。


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